背骨が左右に曲がっているのは病気?
背骨は本来、正面から見たときに真っすぐになっています。
真っすぐであるはずの背骨が何らかの原因によって左右に曲がってしまった状態を、「側弯症」と言います。
思春期の子供さんで問題になることがあります。
「側弯症」とは
側弯症は、背骨が左右どちらかに弯曲している状態を指します。
放置していると弯曲がひどくなることがあり、胸郭が大きく変形し、肺機能の低下を引き起こします。
また、肩・腰の高さが左右で違う、肩甲骨が突出する、肋骨が隆起するといった、見た目の問題も大きくなります。
背骨が曲がっているかチェックする検査方法
背骨の弯曲を簡単にチェックする方法をご紹介します。
直立検査
1人でできる検査です。
裸の状態で鏡の前に立ち、肩の高さ、腰の高さに左右差がないか観察してください。
また、肩甲骨の高さ・突出の程度にも左右差がないか観察します。
いずれかで左右差があれば、背骨が曲がっている可能性があります。
前屈検査
ご家族に協力してもらう検査です。
立った状態で左右の手のひら同士をくっつけ、膝を伸ばしたまま約90度の前屈をします。腕は自然に垂らしてください。
この状態で、ご家族の方に肩や背中を観察してもらいます。
肩甲骨の高さ(上方向への出っ張り具合)、肩やウエストラインの左右差がある場合には、側弯症の可能性があります。
当院で行われる診断
上記に加えて、側弯は、レントゲンによる診断が可能です。
当院で導入しているX線TVシステム「Sonial Vision G4」であれば、全身の骨を一枚の画像で撮影できる機能(長尺レントゲン撮影)を活用し、診断において重要な指標となる弯曲の角度を正確に測定することが可能です。
※Sonial VisionG4で撮影した当院の院長の全脊椎レントゲン写真です。Cobb:17度 LL:32度 SVA:0mm
背骨が横に曲がる「脊柱側弯症」の原因
生まれつきの背骨の奇形、神経・筋肉・組織の異常、外傷、腫瘍などが原因になります。
ただ、原因の分からない側弯症(突発性側弯症)が全体の8割以上を占めています。
大人も側弯症になることがある?
側弯症というと、子どもの病気というイメージがあるかもしれません。
しかし実際には、大人になってから側弯症を発症し急速に進行するケースも見られます。また、幼い頃に軽度の側弯症で経過観察となった場合であっても、大人、それも中高年になってから進行することがあります。
どちらかというと後弯の方が問題になることが多いです。
背骨が横(左右)に曲がっているのを治す方法
側弯症が疑われる場合には、以下のような診断、治療を行います。
側弯症の診断
問診の上、視診や触診を行い、レントゲン検査を行い、診断します。
弯曲の角度(Cobb角)まで、正確に測定することが可能です。
経過観察
弯曲の程度が軽度であれば、定期的な検査を行いながら、経過観察に留めます。
装具療法
コルセットを用いた装具療法を行います。
骨の成長段階にあるおおよそ15歳までの患者様の場合は、装具による弯曲の改善が可能です。
Cobb角が25度を超えると装具療法が開始になります。
当院での側湾治療
側弯症は、まずは早期に診断し、注意深く専門医が観察を継続することが重要です。
当院では必要であれば長尺レントゲン撮影を高速・低被ばくで行うことが可能ですので、気になっておられるかたは受診をご検討ください。
装具療法が必要であると判断された時点で、側弯専門施設にご紹介しています。