脊柱管狭窄症とは?わかりやすく解説
私たちの背骨には、脳から延びる神経「脊髄」が通るトンネルがあります。このトンネルのことを「脊柱管」と言います。
そして、椎間板が飛び出す、骨がずれる、靭帯が分厚くなるなどして脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫され痛み・痺れなどが生じる病気が「脊柱管狭窄症」です。
脊柱管狭窄症で起こる症状(部位)
腰背部・下肢
主な症状は、腰や背中、脚の痛み・痺れです。また、長く歩いたときに症状が強くなり、しばらく休むとまた歩行を再開できる「間欠跛行(かんけつはこう)」という特徴的な症状が見られます。
症状が悪化すると、連続して歩ける距離が徐々に短くなったり、休んでも症状が改善しないようになります。また、神経が圧迫されることで、排尿障害を伴うことがあります。
脊柱管狭窄症の原因
腰に負担をかける作業の繰り返し、肥満に伴う黄色靭帯の肥厚、骨粗鬆症に伴う圧迫骨折・側弯症など、さまざまなものが原因となります。
また、糖尿病、喫煙習慣との関連も指摘されています。
検査方法
症状やその経過の種類をお伺いし、身体診察、レントゲン検査、MRI検査などを行います。
当院では、最新鋭のX線TVシステム「Sonial Vision G4」を導入しております。検査の種類に応じて選択されるフィルタ、効率の良い観察部位の強調により、従来よりも低被ばくでの検査が可能です。
なおMRI検査が必要と判断した場合には、順心神戸病院をはじめとする他医療機関(病院・クリニック)と連携します。
治療方法
保存方療法
日常生活に特に支障がない場合には、保存療法が選択されます。
内服薬、神経ブロック注射、リハビリなどを行い、症状の軽減を図ります。
手術を行わない限り根本的な問題(神経の圧迫)は取り除くことができませんが、経過観察中に自然に痛みが落ち着いてくることがあります。
手術療法
長期間に症状が改善せずに困っている方、重症になった方には手術をおすすめすることがあります。
手術は大きく、除圧術と固定術に分けられます。両術式を組み合わせることもあります。
手術が必要になった場合には、順心神戸病院へと入院していただき、当院院長が執刀することができます。
除圧術
神経を圧迫している骨・靭帯を削る手術です。神経の圧迫が軽減され、症状が改善します。
単独で行う場合は、固定術より患者様へのご負担が少なくなります。
固定術
背骨にネジを入れ、術式名の通り固定する方法です。背骨の変形、関節の不安定を改善します。
内視鏡手術が選択されることもあります。
脊柱管狭窄症を予防するためには
脊柱管狭窄症の予防のためには、正しい姿勢で過ごすことが大切になります。
一方で、すでに脊柱管狭窄症を発症している場合には、無理に姿勢を正すことで、症状が強くなることがあります。
当院では、発症の予防、悪化を防ぐための姿勢の指導も行っております。