診療する主な症状・疾患
腱鞘炎(けんしょうえん)
腱鞘炎とは、腱を包む鞘である「腱鞘」において炎症を起こしている状態です。
大きく、手首の痛みを伴う「狭窄性腱鞘炎」と、手指の痛みを伴う「弾発指(ばね指)」に分けられます。
手・手指を酷使する作業やスポーツなどを主な原因とします。そのほか、スマートフォン、携帯ゲームの使い過ぎが原因になることもあります。
打撲、捻挫
ぶつけるなどして、皮膚やその下の軟部組織が損傷した状態を「打撲」といいます。「打ち身」と呼ばれることもあります。患部は通常、打撲直後に青紫色に、その後茶色・黄色・緑色などに変色していきます。また痛み、腫れなどの症状を伴います。
そして、外からの力によって、関節を支える軟部組織、軟骨が損傷することを「捻挫(ねんざ)」と言います。打撲と同様、多くの方が一度は経験されています。痛みと腫れ、皮下出血を主な症状とします。症状が強い場合には、靭帯の断裂を疑います。
打撲も捻挫も非常に身近な外傷ですが、医療機関での治療によって治癒までの時間を短くすることができますので、程度にかかわらず、お気軽にご相談ください。
骨折
骨折とは、交通事故、スポーツ中の衝突、あるいはちょっと捻ったときなどに、骨にひびが入ったり、完全に折れたりすることを指します。
部位によってさまざまなタイプに分けられますが、いずれも治療が必要です。
捻挫だと思って放置していたら実は骨折していた、というケースも珍しくありません。また、ご高齢の方に多い骨粗鬆症では、咳やくしゃみをした拍子に骨折するということもあります。特に閉経後の女性は、骨粗鬆症のリスクが高くなります。
首や肩・背中・腰などの各部位の痛み
首・肩・背中・腰の痛みには、運動不足によるものや外傷・疾患によるものなど、さまざまなタイプあります。
また簡単なエクササイズで治るものから、手術が必要なものまで、治療法も多様です。
外傷
(切り傷、擦り傷、やけど等)
整形外科では、切り傷、擦り傷、やけどなどの治療も行います。
ちょっとしたものなどであればご自宅で応急処置をして対応することもあるかと思いますが、傷ややけどが広範囲・深いといった場合や、早く・きれいに治したいという場合にはできるだけ早く受診してください。
スポーツ時の外傷・障害
(スポーツ傷害)
スポーツ中に起こるケガのことを「スポーツ外傷」といいます。擦り傷や切り傷、捻挫、打撲、脱臼、骨折、靭帯損傷、肉離れなどが挙げられます。
そしてあるスポーツの特定の動作の繰り返しによって筋肉・骨・靭帯などが酷使され、慢性的な症状を伴うものを「スポーツ障害」といいます。スポーツ障害には、以下のようなものがあります。
野球肘、テニス・ゴルフ肘、前十字靭帯損傷、腰椎分離症、半月板損傷、肉離れ、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)、オスグッド病、腸脛靭帯炎(ランナーズニー)、足関節捻挫、足底腱膜炎、アキレス腱炎など
肩こり
僧帽筋、肩甲挙筋などの首回りの筋肉が硬くなり、痛み、張っている感じ、重い感じといった症状を伴います。運動不足、ストレス、不良姿勢などによって血流が低下することが主な原因と言われています。
また、頭痛、めまい、吐き気、目の疲れなど、肩以外の症状を伴うことも多くなります。
手足の痺れ・違和感
手足の痺れや違和感、あるいは首や背中の痛み、腰痛などの症状が慢性的に認められる場合には、脊椎・脊髄疾患を疑う必要があります。
症状が慢性化している場合、箸が使いにくい、仕事・家事などに少しでも支障が出ているといった場合には、症状の程度にかかわらずお気軽にご相談ください。
突き指
指先に対してまっすぐの方向に力が加わったときに、第一関節を伸ばす「伸筋腱」が損傷した状態です。
指の痛み、曲げ伸ばしができないといった症状が見られます。剥離骨折、亜脱臼を伴うこともあります。
骨粗鬆症
骨も、皮膚などと同じように新陳代謝を繰り返しています。骨が吸収される「骨吸収」に、骨が作られる「骨形成」が追い付かなくなると、徐々に骨がスカスカになり、折れやすくなります。これが、骨粗鬆症です。特に、閉経後の女性に多く見られます。これは、閉経を境に女性ホルモンの分泌が急激に低下するためです。
当院では、最新鋭のX線TVシステム「Sonial Vision G4」による骨密度検査を行っています。検査の種類によって適切なフィルタが選択されること、観察部位の強調などにより、より低被ばくでの検査が可能です。
腰痛症
腰に慢性的な不正な力が加わることによって神経を圧迫されるなどして、腰に痛みを伴う状態です。主な原因疾患として、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症・腰痛分離症、仙骨骨折などが挙げられます。
そのほか、炎症、感染、がんなどを原因として発生する腰痛症もあります。