保存的加療

保存的加療(保存療法)とは

保存的加療(保存療法)とは保存的加療とは、直接原因を取り除くのではなく、症状の改善や緩和を目指す治療のことを指します。具体的には、薬物療法(注射含む)、食事療法、運動療法、放射線療法、心理療法などが挙げられます。
「保存療法」、「保存的治療」とも呼ばれます。

当院の治療方針

保存的加療ほとんどの脊椎疾患は、保存的加療が第一選択となり、実際に保存的加療によって治るものが多く見られます。
当院では原則として、まずは適切な保存的加療を試み、必要に応じて手術を検討します。また、一般的に手術が望ましいという場合であっても、患者様の年齢や身体の状態、またご希望・ライフスタイルによっては保存的加療を選択することがあります。
一方的な押し付けの医療ではなく、状況、タイミングを見極めながら、そしてもちろん患者様のご理解・ご同意を得た上で、適切な治療法を選択します。

当院で行う保存的加療には、内服・外用、座薬、リハビリテーション、コルセット(装具療法)、注射に加えてブロック療法(硬膜外ブロック、神経根ブロック)などがあります。

保存的加療の種類

内服・外用

非ステロイド抗炎症薬(痛み止め)、血管拡張血流改善薬、神経障害性疼痛治療薬、オピオイドなど、さまざまな薬を使用します。

座薬

肛門から挿入して作用される薬のことです。坐薬、坐剤とも呼ばれます。
整形外科では主に、解熱・消炎・鎮痛を目的として使用します。胃や肝臓への負担が少ないため、小さなお子様、ご高齢の方、胃腸の弱い方に処方することが多くなります。

リハビリテーション

理学療法士による理学療法(物理療法・運動療法)、作業療法士による作業療法を行います。
患者様のお身体の状態、患者様がどのレベルまでの回復(日常生活への復帰、職場への復帰、スポーツへの復帰)を目指しているのかを正確に把握し、お一人ひとりに合ったメニューを提案します。

コルセット

腰椎を支持し、安静を保ってくれるのがコルセットです。頚部に使用する「カラー」という装具もあります。
一方で、コルセットやカラーなどを長期に使用すると、筋力および支持力が低下するおそれがあります。コルセットを腰の負担のかかるときのみ使用する、早期にリハビリを開始するといったことで、これを回避することも大切になります。

注射

関節の内部を満たすヒアルロン酸の注射は、変形性膝関節症、半月板損傷などに有効です。ただしその効果は短期的なものに留まります。

ブロック療法

痛みを伴う部位の神経付近に麻酔薬を注入し、神経の興奮を抑え、症状を軽減します。
ブロック注射そのものの効果は一時的ですが、痛みの悪循環を断ち切ることで、中・長期的な症状の改善が期待できます。
当院では、腰、肩、膝、首、手足、股関節など、幅広い部位へのブロック注射に対応しております。

ヘルコニア

2018年からは椎間板ヘルニアに対する椎間板内酵素注入療法が認可されています。
髄核にヘルコニアという薬剤を注入することで、髄核内の保水成分を分解し、神経の圧迫が軽減されます。
椎間板内酵素注入療法が必要になった場合には、順心神戸病院と連携します。

手術がすすめられる場合

手術がすすめられる場合保存療法では十分な効果が得られない、すでに日常生活に大きな支障をきたす症状が出現しているといった場合には、手術を検討します。
手術が必要になった場合には、順心神戸病院へと入院していただき、当院院長がそちらに出向いて執刀することが可能です。また病態によっては、別の医療機関をご紹介することもあります。

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